東北の関西人

訪れた街の街並みを紹介します。

第13回 東北旅行(奥会津 三島町と只見川第一鉄橋)

船の小話3

今回は石油タンカーについて話してみたいと思います。小話といいつつ少し長めです。

タンカーというと石油を運ぶ船とのイメージがありますが、LNG,LPG、薬品等、液体を運ぶ船、即ち大きな液体タンクを持つ船はほぼ全て、一括りにタンカーと呼ばれます。なお、原油を運ぶタンカーのサイズは大きさによって色々な呼び方があります。

 

・ULCC (Ultra Large Crude oil Carrier)

>> 概ね32万t以上のタンカー*1を表します。タンカーの中でも最大クラスの大きさになります。昔は沢山建造されていましたが、後述の理由よりVLCCが主流となっており、現在は殆ど建造されていません。

過去最大のタンカーといえば当時の住友重機械工業/日本鋼管(船体延長)が建造したSeawise Giant*2が有名です。以下引用画像ですが、全長458mある超巨大タンカーです。

https://i.dailymail.co.uk/i/pix/2017/08/10/16/4323CB6800000578-0-image-a-6_1502379042770.jpg

引用:Mail Online

現在は解体されていますが、船体延長の言葉から滲み出ている通り、この船自体かなり数奇な運命を辿った船だったりします。

・VLCC (Very Large Crude oil Carrier)

>> 概ね20万t~32万tまでのタンカーを表します。現在の石油タンカーの中でも主力の大きさとなっています。一般的に言う大型タンカーです。

response.jp

 

ちなみに引用したリンク先の船名はAPOLLO DREAMといいます。仕事で関わりがあり、船名が印象に残った船です。本船は最新鋭のVLCCで燃費が約従来のものと比べて1割以上削減されています。アポロマークといえば出光興産の看板ですが、このタンカーに新技術の夢を託したのが由来なのかなと、個人的には思っています。

・SUEZMAX 

>> 12万t~20万tのタンカーで、名前の通りスエズ運河を航行できる船型のサイズで、喫水(船の水面から船底までの距離)15.8mまでの船舶を表します。

スエズ運河は中東と地中海を短絡する通路ですが、スエズ運河を通過できない船は、南アフリカ喜望峰まで迂回する必要があることから、ケープサイズといわれます。

・AFRAMAX

>>8万t~12万tのタンカーです。1954年にシェル石油が出荷契約を標準化するためにAFRA(Average Freight Rate Assessment)という指標を作りましたが、その区分における「LR(Large Range)1」の最大(MAX)船型を指していました。現在ではその原意を離れて上記レンジの船を商習慣的にAFRAMAXと呼んでいます。

※船業界に関わり始めたころ、油MAXと聞き違えました。

・PANAMAX

>>6万t~8万tのタンカーです。パナマ運河を航行できる最大船型(最大幅32.31m)を表します。SUEZMAXが喫水に対して、PANAMAXは船の幅で規定をしています。これはスエズ運河がほぼ川のような広い幅である一方、パナマ運河は船を隔壁のあるエリア入れ、水を注水して水位を変化させて船を高低差のある運河を通過させます。このため、船の幅で規定がされています。

 

 さて、各タンカーのサイズについて記載をしましたが、写真で見るタンカーの大部分は実は水面に隠れています。お風呂で浮いた洗面器に水を張って沈ませ、縁が少しだけ水面から出ているようなイメージです。以下リンクがわかりやすいですが、石油を満載にすると赤く塗られた場所が沈みます。大体2/3くらいは沈むため、一般的にタンカーの喫水は深いです。

www.lnews.jp

ちなみにULCCが建造されなくなった理由ですが、タンカーは大型化すると、ただでさえ深い喫水がさらに深くなり、浅い海域を通過できなくなります。ここで問題となるのがマラッカ海峡です。マラッカ海峡シンガポール沖のエリアを指しますが、このエリアには22m程度の深さの浅瀬が存在するため、ULCCは以下図のように大回りする必要があります。

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 原油が安かった時代はいいですが、現在この経路で船を運航させると約1000万円分の燃料を余計に消費してしまうため、現在はマラッカ海峡を通過できるVLCCが主流となりました。他にも入港できる港が制限される等いろいろ問題が出てきます。

 

結構長くなってしまいました。(船の記事が本編みたいになってますね....。)

 

さて、本日は前回からの続きで会津三島町について紹介していきたいと思います。

 

三島町

三島町は、人口約1500人の只見川沿い位置する山間の町で、十八カ所に集落が点在します。メインの町は会津宮下駅がある宮下地区に役場等の機関が設置されています。
只見川に沿ったJR只見線の織り成す風景が売りで、渓谷と鉄道の風景を見に、多くの観光客がやってきます。

www.mishima-kankou.net

 

写真とか

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観光交流会館付近から撮影した三島町宮下地区の写真です。

 

 

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同じく観光交流会館付近の看板です。丁度国道400号から三島大橋を経て町内に入ったところで撮影したと思います。

 

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国道252号へ至る道です。後で登場しますが、この道を進むとアーチ橋が3連で架かった、宮下アーチ3橋(兄)弟のビューポイントに至ります。

 

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もと来た道です。ここを少し下りると福島県立宮下病院、そして前回の写真を撮影した国道400号に至ります。

 

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とりあえず町内を散策して、会津宮下駅の方に進みました。

 

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会津宮下駅です。

 

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駅前広場にあった看板です。この看板を見るとわかりやすいですが、国道252号が町を大きく取り囲むかのように設置されてます。

 

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会津宮下駅から町内方面の写真です。

 

三島町内の散策を終えて、次のスポットである只見線の第一只見鉄橋のスポットに移動しました。

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宮下アーチ3橋(兄)弟のアーチ橋です。奥のアーチ橋が平成元年竣工の国道252号、手前がJR只見線になります。

 

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ちなみに宮下アーチ3橋(兄)弟という、もう1つのアーチ橋は何処にあるのかと思っていたところ、後でわかったのですが写真を撮っているこの場所がアーチ橋上でした。

丁度わかりやすい写真があったのでリンクをつけておきます。

tohoku-tourism.jp

灯台本暗しという言葉、そのままでした。

 

JR只見線 只見川第一橋梁

場所は変わり、道の駅尾瀬街道みしま宿まで移動しました。

 

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こちらは2016年の写真ですが、道の駅駐車場に車を停めて、只見川第一鉄橋の展望台まで登ることができます。

 

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また、道の駅にも展望台が設けられており、展望台からは歳時記橋を眺めることができます。

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ちなみに冬場の展望台はごらんの通り歩道でさえそれなりに積雪があり、展望台の山道はさらに雪が深く、かつ滑りやすいのでアイゼンと雪よけを装着して行くほうが良いと思います。

 

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展望台からの写真です。列車は本数が少ないのでタイミングを合わせることはできませんでした。なお、時刻表は三島町のホームページに掲載されていますので、列車通過時刻の参考にしてください。

www.mishima-kankou.net

 

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ちなみに2019年に撮った写真がこちらです。来年は列車通過の光景を見てみたいなと思います。 

次回は沼沢湖付近の写真を掲載したいと思います。

 

*1:昔は30万t以上だったのですが、最近はVLCCがサイズを保ったまま積載量が増加しているため、32万t以上を指すことが多くなっています。

*2:船は所有者が変わると名前も変わるので、建造当時の名前を記載しています。